Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nishimuta62.blog114.fc2.com/tb.php/1049-da261d73

トラックバック

コメント

[C1480]

>「宇宙戦艦ヤマト」の第1回放送の冒頭にも、こっちのオリジナルの「大和」の部分がちょこっとだけ出てきますよね

たしかそうだったと思います。

見たらぜひレビュー書いてください。
その際、観客が号泣していたかどうかを添えてください。
  • 2006-01-11 01:15
  • tagosaku
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

「男たちの大和/YAMATO」を見てきた2

一方、この映画、問題な点がいくつかあります。

まず気になったのは空間描写。
 昔の特撮ならアナログ臭さ(あいまいさ、適当さ加減)が愛嬌を感じたり、空気描写にリアルさを感じさせます。
ですが、この映画、ちょっと目を凝らすとヘンな場面が目白押しでした。漁村で神尾の母が爆死するシーンで漁船が燃えているんですが、その火が浮いていてとても不自然でした。また大和が航行していく大和のバックの波とか空、波、戦艦と航空機が相対峙する場面のメカの重なり方など。あげればきりがありません。空気感、質感、つまりリアリティがまるでないんですね。特撮に詳しい常岡千恵子さんがおっしゃっていましたが、CG作家たちは大自然のデッサンからやり直すべきでしょうね。

あと昔は映画をフィルムで撮っていたはずですが、なんでもデジタルでしょ。昔の水戸黄門のようにフィルムの方がやっぱいいと思いましたね。写真もそうですがフィルムの方が空気感があるような気がします。それがリアルかどうかは別として。編集はデジタルの方が映像も圧倒的に楽でしょうけど。
****************************************
もう一つ問題なのは、物語の描かれようです。

単純で陳腐なプロパガンダ映画ではない、と書きましたが結果から言うとこれはプロパガンダ映画ですね。ただし人間ドラマが全面に描かれているのでわかりにくいですが、省かれているポイントを上げていくと映画の隠れた狙いというものがあぶり出されてくるような気がします。まあ、自衛隊が協力しているというのを公開前に知った時点でちょっとこれはどうかな、と思ったわけですがやはりです。彼らの利益になるようなものでなければあの秘密主義の組織がやすやすと協力するとは思いません。

・日米同盟を否定せず、できるだけ肯定していく
・日本国内のナショナリズムの高揚
・軍隊の存在そのものの否定はしない

そもそも、大和が大破するのも、空襲で人が死んでいくのもすべてアメリカのせいなわけですが、アメリカという敵が映画の画面上にほとんど出てきません。アメリカ人は全く出てきませんし、アメリカの武器つまり戦闘機は大編隊の影か、すぐ接近してきた米軍機も動きが速いので見えるのは一瞬です。

去年、硫黄島に行ったとき、遺族の方々にお会いしましたが「今もアメリカが憎い」ってはっきりおっしゃっていましたが、送り出す人、戦う人ともにそうした発言をする人は誰もいません。当時のプロパガンダ、鬼畜米英という言葉さえ聞こえてきません。

それどころか、大尉役の長嶋一茂が「死二方用意」というのを特年兵たちに示唆する場面でしたか。「日本が破れて、生まれ変わる」といったことを言ってましたね。これはNHKのドキュメントなどで紹介されていたコメントですから嘘ではないのでしょう。ですがその言葉の使われ方に意図的なものを感じました。

アメリカを否定せず、戦後の日米安保下で繁栄する日本、米軍と同盟を結ぶ自衛隊というものを肯定しているってことなんでしょうか。

あと、戦争の悲惨さが強調され、一見反戦映画に見えるのにその原因を探る動きはありません。送り出す人たち送り出される人たちのドラマ以前になぜ大和が作られたのか。なぜこの場面まで大和が残っていたかです。19年2月のトラック大空襲の際、大和は戦わずに逃げていました。戦闘機の普及していなかった日露戦争の頃ならまだしも太平洋戦争のころはこんな巨艦は無駄にでかいだけです。空母のほうがよっぽど役に立ちます。

それに誰が戦いに向かわせたかということも全く描かれていません。こうした時代だったんだから仕方ないんだ、といわんばかりの描写です。大きく見れば、明治維新以降の日本の背伸びしたいびつな発展とそれに付随する諸外国との齟齬(そご)が太平洋戦争という形で一気にしわ寄せがきた、ということなんだと思うのですが、太平洋戦争前後の時代に他の選択の道もあったわけです。それをやらなかった人たちの問題ってのもあります。

そうしたことは知らなくてもこの映画を見ることができますが、知らなかったら「キミは愛する人を守れるか」という話だけに集中して見てしまうかもしれませんね。現に、この映画の感想にはナショナリズムの大事さということに言及している人が多いようです。

もしこの映画を作るに当たって、上にあげた3点を制作者またはそのバックにいる人たちが伝えようと意図していたなら、この映画は大成功でしょうね。あるレビューでこの映画は高度なプロパガンダ映画だ、と書いてありましたが僕もそれには同感です。

もし意図せずにいたとしたらそれはそれで個人的に怖いです。
僕も終戦以前をテーマにしています。プロパガンダ的なものを徹底的になくしているつもりなんですが、僕の気がつかないところでそうしたメッセージを伝えていないか、とても心配になってしまいます。かといってヘンに左に偏らせることもしたくないのですが。


あと、小さな気になった点は以下の通りです。
・戦後どうやって内田は生きたのでしょうか。その点が全く描写されていないのも気になりました。
・鈴木京香が若すぎます。父が大和で戦ったのであれば(いくら戦災孤児とはいえ)少なくとも鈴木京香役は60歳になっていないといけません。とすると鈴木京香ではなく、吉永小百合ぐらいのほうが正確だと思います。
・衣装のクレジットに中田商店があったのにはちょっとウケました。
・原作の辺見じゅんは角川書店社長の歴彦、春樹の姉
・「男たちの大和」以外に「女たちの大和」という本もある。
・映画館でシクシク泣いている声は聞こえましたが、号泣している人は誰もいませんでした。

角川春樹の盟友である森村”悪魔の飽食”誠一がこの作品をどう思っているのかが気になるところですが、これといった発言はしていないようですね。わざと控えているんでしょうか?

AUTHOR: michikong URL: http://www.doblog.com/weblog/myblog/40371 DATE: 01/09/2006 11:50:22 はじめまして。
一つの読み物として、読ませていただきました。とても読み応えがあり、勉強になりました。自衛隊の協力と裏腹に当時の声なき声を葬っては、『大和』を美化しすぎです。
大晦日の紅白の裏で零戦の欠点を教育テレビで放送していたのを見ました。これを見ても当時の海軍司令部の汚点を拭い切れません。その意味でも戦争映画は美化してはいけないと思います。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nishimuta62.blog114.fc2.com/tb.php/1049-da261d73

トラックバック

コメント

[C1480]

>「宇宙戦艦ヤマト」の第1回放送の冒頭にも、こっちのオリジナルの「大和」の部分がちょこっとだけ出てきますよね

たしかそうだったと思います。

見たらぜひレビュー書いてください。
その際、観客が号泣していたかどうかを添えてください。
  • 2006-01-11 01:15
  • tagosaku
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

PEREZVON(ペレズヴォン)

Author:PEREZVON(ペレズヴォン)
西牟田靖(ニシムタ・ヤスシ)
1970年大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒業後、フリーライターになる。近年は旅・現場・実感にこだわるノンフィクション作品を発表し続けている。著書に『僕の見た「大日本帝国」』(2005)、『誰も国境を知らない』(2008)など。NPS(Nikon Professional Services)会員。
****************
近年、ノンフィクションライターと見なされることの多い西牟田靖のブログ。手間をいとわず、自分の好奇心に忠実な仕事をしていきます。

Twitter

 

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。