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ビルマ(ミャンマー)情勢に思うこと3

この前読んだ、「ミャンマーという国への旅」(晶文社)という本には軍事政権下に張り巡らされた、国民監視体制の徹底ぶりが余すところなく書かれていて、改めて嫌な政権だという思いを抱きました。

だけど民主化すればすべてうまくいくかどうかはとても懐疑的です。サダム・フセインのいたイラク、タリバーンのいたアフガニスタンはその強権体制に市民たちはおびえつつも、保たれた平和に満足していた人は多かったのでしょう。僕がタリバーン政権下のアフガンに行ったときに出会った人たちの多くは「窮屈だけど戦争が終わって良かったよ」との感想を漏らしていました。

もし軍政が政権から降り、スーチーさんを元首に民主的な政権が誕生したとしてもその場合、本当にうまくいくんでしょうか。多民族が入り交じっている国ですから、民主化した途端に本格的な内戦に突入する、といったことはないでしょうか。そんなことを集会に行って考えてしまいました。

そもそも民主主義という概念を全面的に信用していいものなのか。
民主主義なんて概念は西洋からの借り物です。
国民国家にしても民主主義にしてもそれらの概念はフランス革命など市民革命を契機にして広まったわけです。それらの概念はヨーロッパ列強が植民地争奪戦を繰り広げ、世界中に広まっていきます。

しかし国民が主権なんて考え方は一歩間違えばずいぶん危険です。しっかりとした指導者が常にどの国にもいるとは限りません。ヒットラーのような指導者が出てくる可能性もあります。

中世の時代だと傭兵など限られた人たちが戦争をやっていたのですが、国民国家の時代になった20世紀の戦争は国による総力戦ですから、被害も甚大になってしまいました。

そんなわけで二つの大戦ではそれまでになかった途方もない被害を各国に及ぼしました。テクノロジーの進化ということもあるのでしょうけど、世界中が国民国家というシステムを採用する潮流ってのが起きてなかったら、世界はもっと平和だったような気がします。

世界中が民主主義、国民国家システムを認め、世界はつながりました。だけどその分搾取は大規模になったし、たくさんの血が流れたわけです。

一方で、民主主義は植民地化されていた国・地域が独立を果たそうとするときの指標となりました。まあ、その場合の民というのは国民一人一人というわけでなく、孫文の掲げていた三民主義のように民族主義である場合が多かったわけですが。

アジアやアフリカの国境線の多くは植民地時代の名残です。ビルマの国境線はイギリスが違った国境線を引いていれば全然違ったところにひかれていたでしょう。この国のシステムの大枠もイギリスが作り上げたものです。そこに太平洋戦争当時の日本による占領があり、その影響も統治の仕方や軍歌に影響を残しています。

支配した国の影響から逃れられないビルマという国。この国にとって一番いいシステムが何であるのか。アウンサンスーチーさんは欧米の傀儡だという噂も耳にします。カルザイ政権のアフガンがタリバーン時代のアフガンとどちらが住んでいる人にとって幸せなんでしょうか。アフガンと比較したとき、スーチーさんが元首をつとめるビルマが落ち着いたいい国になるのか。不安はぬぐえません。

軍事独裁の元、高度成長を果たした韓国のようにうまく行った国もあります。ただしこの場合、アメリカや日本というまわりの国の存在があったこそですので、ビルマと単純な比較はできませんが。

もし、国民の大部分が現政権にうんざりし、民主化を望んでいるのなら、結果がどうなるかはさておき改革してみたほうがいいのでしょう。悲惨な現状を維持するよりはそのほうがたとえ民主化の結果、国内が大混乱に陥ったとしてもまだ納得のしがいがあるのではないでしょうか。

PS.吉田さんの言うには、ミャンマー軍のパレードに日本軍の替え歌が使われているとのこと。北朝鮮もミャンマーもかつての日本の悪い部分ばかり受け継いでいるような、彼らが受け継いでくれたからこそ、日本はこんな毒気のない国になったんじゃないだろうか。そんな埒もないことをふっと考えてしまいました。彼は僕が感激した「森の回廊」(大宅賞受賞作)の取材内容をそのまま語っていたので聞いたような話というのは当然ですね。

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プロフィール

PEREZVON(ペレズヴォン)

Author:PEREZVON(ペレズヴォン)
西牟田靖(ニシムタ・ヤスシ)
1970年大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒業後、フリーライターになる。近年は旅・現場・実感にこだわるノンフィクション作品を発表し続けている。著書に『僕の見た「大日本帝国」』(2005)、『誰も国境を知らない』(2008)など。NPS(Nikon Professional Services)会員。
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近年、ノンフィクションライターと見なされることの多い西牟田靖のブログ。手間をいとわず、自分の好奇心に忠実な仕事をしていきます。

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