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「大いなる助走」(筒井康隆)を読む

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僕が現役作家の中で一番すごいと思う人、それは村上春樹ではない。
筒井康隆だ。
作品数が多いだけに、駄作も多いが、
そうした作品にも彼なりのスタンスが貫かれている。
短編集を読んでいると、
奇想天外なアイディアという弾丸を詰め込んだマシンガンで攻撃されているような錯覚に陥ってしまう。

毒を以て毒を制す、ということなのか。
人の心の中にある醜い感情を嗤う風刺的な作品を読むと、
とげとげしている自分がばかばかしくなる。
量を間違えずに処方すればストレス解消の効能がある。
なんせ毒が強いので読み過ぎには注意しなくてはいけない。
作品世界にどっぷり浸かるあまり、言葉遣いが荒くなり、
周囲に毒をばらまいてしまうことになる。

このあいだ、「大いなる助走」という本を読んだ。
初めて書いた作品が同人誌に載った若い男が、直廾賞候補となることで、会社をクビにさせられそうになるなど人生を大きく左右され、その挙げ句に落選。落選を根に持った男は選考委員をライフルで殺してまわり、最期は自身も命を落としてしまう、という内容。直木賞の候補になった筒井さんが実際の選評会で酷評された恨みを作品にまで昇華させているといわれている。
選考会やそれまでに至るドロドロとした様子がカリカチュアライズされて描かれている。当時も今も選考の様子は本質的には何も変わっていないことがわかり、大笑いさせられた。
この本が連載されていたとき、選評委員のモデルとされた松本清張が別冊文藝春秋に連載中止を訴えたそうだが、これだけコケにされれば無理もない。

作品を書いていく上で恨みという感情も、方法を間違えずに使えば、役に立つ。そのことを教えられる作品だ。

この作品の雑誌連載・単行本出版を受け持った文藝春秋社の懐の深さには敬意を抱く。

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プロフィール

PEREZVON(ペレズヴォン)

Author:PEREZVON(ペレズヴォン)
西牟田靖(ニシムタ・ヤスシ)
1970年大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒業後、フリーライターになる。近年は旅・現場・実感にこだわるノンフィクション作品を発表し続けている。著書に『僕の見た「大日本帝国」』(2005)、『誰も国境を知らない』(2008)など。NPS(Nikon Professional Services)会員。
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近年、ノンフィクションライターと見なされることの多い西牟田靖のブログ。手間をいとわず、自分の好奇心に忠実な仕事をしていきます。

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