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テレビは我が家の火種?

テレビは我が家の火種?

 夕ご飯。本来であれば、一家だんらんのときであろう。うちでもそうだ。僕、妻、2才になる娘。ホッとするひとときだし、安らぎのときでもある。テレビをつけっぱなしにしているようなことは、僕も妻も望まないから、よっぽど見たい番組がなければ消した状態である。
 だんらんを維持するのは難しい。手元があやうい娘の一挙手一投足に注視していなきゃならない。妻は娘との会話を優先するので、大人の会話がしょっちゅう寸断してしまう。
 テレビの扱いも団らんを壊す原因になり得る。というか一番の火種かもしれない。よっぽど見たい番組があっても妻の許可がなければつけてはならない。娘にとって有害だとか、つけていて意味がないと判断したなら、やんわりとだが、断られる。
「それ、なゆが見て面白いのかな」
「会話が寸断されちゃうね」
 そのとき僕の心は引き裂かれる。その通りだと思い、納得しているのに、胸をかきむしりたくなるぐらいの怒りで内心、燃えあがってしまう。

 僕が小さいときは常時テレビはつけっぱなしだった。それが当たり前だった。一家でこれといった会話をすることなく、なんとなくテレビを見て、なんとなくご飯を食べる、というのが、子どものころの夕食の光景だった。
 テレビがつけっぱなしの生活から離れたのは大学に入り、一人暮らしを初めてから、数年がたったときのことだ。1-2か月、海外旅行をすると日本のテレビを全く見ない。帰国直後にテレビを見ると、僕はきまって混乱した。あまりの情報の多さに耐えられず、頭痛がしそうになった。旅行を繰り返しているうちに、テレビなんかなくていいや、と確信するようになったのだ。テレビを見ないようにすると、時間が空く。一人で考えることが多くなった。僕が作家となったのは、まさにそうした脱テレビ体験が、ひとつのきっかけになっているんだと思う。

 さて、話を戻してみよう。2012年11月某日の我が家の夕食時の光景である。胸をかきむしりたくなるほどの怒りを覚えた原因とは何かについて、である。説明のために、あまり本意ではないが妻のことを記してみる。あまり書きたくないのは、自慢していると勘違いされるのが嫌だからである。だけど彼女のことを書かないと伝わらないので記すことにする。僕の妻は、辞書の名前にもなっている世界有数の名門大学を卒業したインテリである。語学は堪能だし、頭の回転は速い。
 妻は小さいとき、親の仕事の都合で海外を点々している。妻の母上、僕からすると義母は妻に一日30分とかと時間を限定し、テレビを見せていた。妻はクラスの話題についていけず、辛い思いをしたというが、そうした経験があったからこそ、考えたり、知識を蓄えたりするコツを小さいころから得られたのだろう。ドリフのギャグなどの流行り物を全然知らない。そのことが今でもコンプレックスになっているようだが、僕は僕で正直、うらやましいし、そういう教育を受けて育ちたかったな、と思う。
「テレビを消した方が良い」と遠回しに言われたとき、僕の心が引き裂かれるのは、「低俗」なものを知らない妻に対して逆に僕がコンプレックスをいだいてしまうからだし、テレビつけっぱなしの環境で育った自分の過去が憎らしく思えてしまうからなのだろう。そのころから考える癖をつけていれば、作家としての広がりももっとあったのではないか。なんだか、そういう風に思えてならないのだ。過剰反応なのはわかっているし、妻に何の落ち度がないのもわかっているが、テレビの扱いいかんで、過去の記憶が呼び起こされてしまうのはどうしようもない事実だ。
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プロフィール

PEREZVON(ペレズヴォン)

Author:PEREZVON(ペレズヴォン)
西牟田靖(ニシムタ・ヤスシ)
1970年大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒業後、フリーライターになる。近年は旅・現場・実感にこだわるノンフィクション作品を発表し続けている。著書に『僕の見た「大日本帝国」』(2005)、『誰も国境を知らない』(2008)など。NPS(Nikon Professional Services)会員。
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近年、ノンフィクションライターと見なされることの多い西牟田靖のブログ。手間をいとわず、自分の好奇心に忠実な仕事をしていきます。

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