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人間60年ジュリー祭りに行く

コンサートがあったのが先週の水曜日だから、もう8日も前になる。ジュリーこと沢田研二の歌っている姿を見るために、12/3の午後、水道橋の東京ドームへ行った。一緒に行った友人も僕も30代だったが、その年代の観客はごく少数で、大半は50代から60代のおばさんだった。彼女たちはかつてジュリーに首っ丈の青春時代を過ごしたのだろう。ジュリーは国民的なスターである。観客が団塊の世代のおばさんばかりというのはいかにも不自然だが、それは致し方なかった。スタートは午後3時、終演は午後9時半という長丁場、しかも年末の平日なのだから。僕自身、ジュリーの熱烈なファンではない。なのにこのコンサートに行こうと思ったのはコンサートの予定時間に興味をもったからだ。還暦を迎えたジュリーが果たして一人きりで歌うのか。それとも豪華ゲストを迎えるのか、それとも前座をつけてごまかすのか。6時間半という国内では前代未聞(アメリカならグレイトフル・デッドかPファンクの連中がそのぐらいの時間をやってのけても不思議ではない)のコンサートをジュリーはどのように展開するのか。コンサートは3時前に始まった。そのとき会場内は明るかった。ドームの天井が光を通すからだ。のっけから新しい曲が続く。バックバンドはギター、ベース、ドラム、キーボードという最小編成。ギターはなんと下山淳。ドラムは女性だった。ジュリーはインディアンのような白い羽根を頭にかぶっている。さしものジュリーも寄る年波には勝てずに太っているのかと思っていたら、そうでもなかった。年の割には見た目は若い。彼は現役であることにこだわり、往年の名曲を封印してきた。毎年シングルとアルバムを出し、毎年コンサートツアーを行なっている。過去を振り返るのを拒否し、突っ走ってきたジュリーだから、新しい曲からコンサートを始めるのは彼にとって自然なことなのだろう。とはいえ、初めてコンサートに来た僕のようなファンにとって知らない曲ばかりが続くのはきつい。それにあまり声が出ていないのも気になる。一曲一曲歌い終わるごとに「ありがとう、サンキュー、ありがとうねー」とジュリーは丁寧な挨拶をする。その挨拶が呪文のように聞こえ、コンサートが退屈に感じるようになったのは十数曲を過ぎた頃だったろうか。確か30数曲目で、食事やトイレのために席を立ち、その後挙げ句の果てには持っていた読みかけの文庫本「カラマーゾフの兄弟」第一巻を読み始めてしまった。コンサート中に本を読み始めたことは初めてだったが、裏返せばそれだけ長丁場のコンサートということだ。前半の42曲が終わると20数分の休憩を挟んで後半が始まった。前半同様にところどころヒット曲が入り、そのたびに没頭してしまった。小学生のころ覚えたヒット曲は脳裏に焼き付いていて、イントロが流れた刹那、体に電流が流れたように興奮が僕の体を駆けめぐった。しかしその直後に知らない曲が続き、また退屈する。そんなサイクルの繰り返しだった。MCは最低限しか入れず、ときには全力疾走、ときには往年の振り付けを交えて、ジュリーは黙々と歌い続けた。40年間、突っ走ってきた彼の歌手人生をリアルタイムで追体験しているような、そんな風に錯覚してしまう迫力があった。最後までゲストなし。6時間半をジュリー一人ですべて歌いきった。終わってみれば、コンサートはあっという間の出来事だった。後半になって、声がどんどんと尻上がりに艶やかになっていき、最後の最後まで声がかすれることはなく、安定した歌いっぷりだった。慎重な人だと思った。おごりもせず、淡々と歌い続けてきた。だからこそ40年も歌い続けてこられたのだし、今後も歌い続けていくのだろう。ありがとう、ジュリー。夢をありがとう。(なお「カラマーゾフの兄弟」第一巻の残り百数十ページはライブ中に読破してしまった。おかげで今ではアリョーシャとジュリーのイメージがダブるようになってしまった)
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プロフィール

PEREZVON(ペレズヴォン)

Author:PEREZVON(ペレズヴォン)
西牟田靖(ニシムタ・ヤスシ)
1970年大阪府生まれ。神戸学院大学法学部卒業後、フリーライターになる。近年は旅・現場・実感にこだわるノンフィクション作品を発表し続けている。著書に『僕の見た「大日本帝国」』(2005)、『誰も国境を知らない』(2008)など。NPS(Nikon Professional Services)会員。
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近年、ノンフィクションライターと見なされることの多い西牟田靖のブログ。手間をいとわず、自分の好奇心に忠実な仕事をしていきます。

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